イータウン八王子(〜2019年10月4日)

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【八王子事典】八王子千人同心

八王子千人同心(はちおうじせんにんどうしん)は、江戸幕府の職制のひとつで、武蔵国多摩郡八王子(八王子市)に配置された郷士身分の幕臣集団のことである。

甲州口(武蔵・甲斐国境)の警備と治安維持を任務として、徳川家康の江戸入府に伴い1600年(慶長五年)に発足し、当初は代官頭大久保長安が統括した。十組・各百人で編成されて各組には千人同心組頭が置かれ、旗本身分の八王子千人頭によって統率され、槍奉行の支配を受けた。

現在の八王子市千人町に、千人頭の屋敷と千人同心の組屋敷があったといわれる。 千人頭は200〜500石取りの旗本として遇され、同心は御家人として遇され、禄高は10俵1人扶持〜30俵1人扶持である。

千人同心は甲斐武田家遺臣を中心に、近在の地侍、豪農などで組織された。甲州街道の宿場である八王子を拠点としたのは武田家遺臣を中心に甲斐方面からの侵攻に備えたためである。八王子の甲州街道と陣馬街道の分岐点に広大な敷地が与えられた。甲斐が天領に編入され、太平が続いて国境警備としての役割が薄れると、1652年からは交代で家康を祀る日光東照宮を警備する日光勤番が主な仕事となった。

千人同心は警備を主任務とする軍事組織であり、同心たちは徳川将軍家直参の武士として禄を受け取ったが、その一方で平時は農耕に従事し、年貢も納める半士半農といった立場であった。

千人同心の配置された多摩郡はとかく徳川の庇護を受けていたので、武州多摩一帯は同心だけでなく農民層にまで徳川恩顧の精神が強かったとされる。


◆最近の研究による武士身分の見直し
千人同心が武士身分であったかについては疑問も多い。 従来は千人同心だったもの達の主張に従い武士(御家人)だったというのが通説であったが、近年に入り現存する史料などの研究が進むと、武士身分としての実態が伴っていなかったことが判明してきている。 例えば、千人同心は苗字を公称することがゆるされておらず、帯刀についても制限されていた。 また江戸時代中期頃より株売買による千人同心職の譲渡が盛んになり、八王子に集住していた同心達にかわり、関東近在の農村に散在する富農層が千人同心職を兼帯するようになる。 千人同心たちは居住する村落では人別帳に他の農民同様に百姓として記載されており、幕府代官所をはじめとする地方領主達は、かれらを武士とは認めていなかった。 このため千人同心たちはたびたび御家人身分の確認をもとめて幕府に願い出るが幕府は毎回これを却下している。 例えば幕府の最高法廷である評定所は、明確に千人同心が正規の御家人身分を有しないとの判決を下している。 今日では武家奉公人相当だったのではないかと考えられている。


◆千人頭
萩原家
上窪田家
上窪田別家
下窪田家
志村家
原家
中村家
河野家
山本家
石坂家

◆著名な千人同心(幕末)
石坂義礼 千人頭 命を賭して日光を戦火から守った
原胤敦 千人頭 函館奉行支配調役。「新編武蔵風土記稿」編纂者
松本斗機蔵 組頭 幕府に認められた開明派。
植田孟縉 組頭 多数の地誌を著わす。「新編武蔵風土記稿」編纂者
塩野適斎 組頭 「桑都日記」の著者。「新編武蔵風土記稿」編纂者
小谷田子寅 組頭 蘭学者
三田村鳶魚 江戸文化・風俗研究の第一人者、但し千人同心の家出身であり同心を勤めてはいない
近藤三助 天然理心流二代目

◆関連項目
日光脇往還
勇払
甲源一刀流

◆関連図書
吉岡孝『八王子千人同心』同成社 ISBN 4-88621-261-1

以上、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より作成


読売新聞の北海道版のウェブサイトで、「八王子千人同心」の墓(苫小牧)が紹介されています。
http://hokkaido.yomiuri.co.jp/tanken/tanken_t010811.htm

八王子市は、苫小牧市と、江戸時代後期に八王子千人同心が北辺警備と開拓のため勇払原野に移住したのを縁に、昭和48年(1973年)に姉妹都市の盟約を結んでいます。

「千人同心」は、滅亡した戦国大名武田氏家臣団の末えいで、八王子で半農半士の生活を送っていたが、原新助をはじめとする「八王子千人同心」の隊士65人は列強の脅威にさらされていた蝦夷地の開拓と警備のため、北海道に向かったといいます。

しかし、北海道の厳しい自然環境などのため、入植後2年間に11人が死亡し、多くの隊員が勇払を去ったとのことです。

苫小牧市勇払ふるさと公園には、その八王子千人同心の墓がにあります。

2006年夏、八王子市のボーイスカウトのメンバーらが、同心の墓参に訪れたり、勇払で初めて「八王子車人形」が初めて演じられたりして、交流が進んでいるようです。

■勇払ふるさと公園(苫小牧市勇払132)
JR日高線勇払駅から徒歩約10分。
JR苫小牧駅から市営バスで25系統勇払線で約45分。
公園内の「勇武津(ゆうぶつ)資料館」は毎週月曜日と年
末年始などは休館。
開館時間は午前10時〜午後5時。入館無料。

勇武津(ゆうぶつ)資料館ウェブサイト
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/y-siryo/